予告編

イントロダクション

18世紀のポルトガルと21世紀の日本。3人のキャストがそれぞれ1人2役に挑んだ異色のラブミステリー誕生!

日本、ポルトガル、アメリカの3か国による合作映画『ポルトの恋人たち 時の記憶』は、オダギリジョー主演の日米合作『ビッグ・リバー』(06)や福島県双葉町の人々の姿を真摯に見つめたドキュメンタリー『フタバから遠く離れて』(12,14)2部作を手掛けた舩橋淳監督の集大成的な最新作となる。

主演は柄本佑。18世紀のポルトガルパートでは、言葉を話せない日本人奴隷、21世紀の静岡・浜松パートでは、ブラジル系移民の労働者のクビを平然と切るエリート会社員を演じた。浜松パートでは、英語セリフにも初挑戦している。
また、英語、イタリア語、フランス語など話す中野裕太は、約1か月半でポルトガル語を習得。日本人奴隷の仲間と、夢を抱いて、浜松にやってきたブラジル移民役で新境地を見せた。ヒロイン役は、第62回ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とアルフレッド・バウアー賞を受賞したポルトガル映画『熱波』(12)のアナ・モレイラ。

ポルトガルと日本の合作映画として、日本人初の監督作品にオリヴェイラ作品のスタッフが集結!

プロデューサーは、『罪の手ざわり』(13)などジャ・ジャンクー監督作品を世界に送り出す市山尚三と、故マノエル・ド・オリヴェイラ監督ら4人の巨匠監督によるオムニバス映画『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』(12)のロドリゴ・アレイアス。 構想3年。撮影は、2016年11月から12月まで、ポルトガルの世界遺産ギマランイスを始め、ポルト、ブラガ、ペニシェ、静岡県浜松市で行われた。日本とポルトガルの合作映画は、パウロ・ローシャ監督の『恋の浮島』(83)、ジョアン・マリオ・グリーリョ監督の『アジアの瞳』(97)に続き3作目で、本作は初の日本人監督作品となる。

ストーリー

18世紀リスボン大震災後のポルトガル。復興事業のためにインドからつれてこられた日本人召使の宗次(柄本佑)と四郎(中野裕太)。屋敷で働く雑役女中、マリアナ(アナ・モレイラ)と通わす宗次だったが、理不尽な雇い主にたてついたことで銃殺されてしまう。

21世紀東京オリンピック後の日本。工場縮小に伴い、リストラされ夢破れた日系ブラジル人の幸四郎(中野)は、ポルトガル人の妻マリナ(モレイラ)を残し自死を選ぶ。リストラ宣告をくだしたのは加勢柊次(柄本)だった。
どちらの時代もあらがえぬ運命よって引き裂かれ、その挙げ句に恋人を殺害された女。その恨みを晴らすために選んだ手段は、思いもよらぬものだった。3人の立場は微妙に入れ替わりながらも、ほとんど同じプロットが反復され、デジャブのように交差し、愛憎の不条理に引き裂かれた人間の業をあぶり出す。

プロフィール

キャスト・プロフィール

  • 宗次|加勢柊次

    柄本佑(えもと・たすく)

    1986年、東京都出身。黒木和雄監督の映画『美しい夏キリシマ』(03)で主演デビュー。主な出演作品として、映画では『十七歳の風景〜少年は何を見たか』(05)、『僕たちは世界を変えることができない。』(2011)、『横道世之介』『フィギュアなあなた』『今日子と修一の場合』(13)『ピース オブ ケイク』(15)、『GONIN サーガ』(15)、『追憶』(17)、舞台では「エドワード二世」(13)、「百鬼オペラ 羅生門」(17)、「秘密の花園」(18)、ドラマでは「あさが来た」(NHK・15~16)、「スクラップ・アンド・ビルド」(NHK/16)、「おかしな男~渥美清・寅さん夜明け前~」(NHK・16)、「コック警部の晩餐会」(TBS/16)、「平成細雪」(NHK BSプレミアム/18)、「ROAD TO EDEN」(CX/18)など。18年は主演映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『きみの鳥はうたえる』がある。19年に『ねことじいちゃん』がひかえる。

  • 四郎|幸四郎

    中野裕太(なかの・ゆうた)

    1985年、福岡県出身。2011年、佐々部清監督『日輪の遺産』で映画デビュー。その後、佐々部監督の映画『ツレがうつになりまして。』(11)、長澤雅彦監督『遠くでずっとそばにいる』(13)、園子温監督『新宿スワン2』(17)、などに出演。2012年には『レンタル彼女』で舞台初主演。『もうしません!』(15)で映画初主演。日本・台湾合作の主演映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメというけれど。』(17)、や中国映画『男たちの挽歌2018』(18)に出演するなど海外作品でも活躍。高校時代に米国、早稲田大学時代にイタリア・ミラノ大学に留学し、英語、イタリア語、フランス語を話せるマルチリンガル。北京語は日常会話程度レベル。本作ではポルトガル語を習得。

  • マリアナ|マリナ

    アナ・モレイラ(Ana Moreira)

    1980年、ポルトガル・リスボン出身。1997年からキャリアをスタート。10代の若者3人の姿を描いたテレーザ・ヴィラヴェルデ監督作品『Os Mutantes』(98、日本未公開)に主演し、タオルミナ映画祭、バスティア映画祭で最優秀女優賞を受賞。マルガリーダ・ジル監督作品『Adriana』(04、未)ではポルトガルのゴールデン・グローブ賞で最優秀女優賞を受賞。その後は西ヨーロッパへの旅の途中で夢世界に迷い込む『トランス(原題Transe)』(06、テレーザ・ヴィラヴェルデ監督)に主演。リスボンで暮らす老女の現在と過去を描く『熱波(原題Tabu)』(12、ミゲル・ゴメス監督)では、ヒロインの若い日を演じた。同作は第62回ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とアルフレッド・バウアー賞を受賞。世界的にも大きな注目を集めた。

  • ガスパール

    アントニオ・ドゥランエス(Antonio Duraes)

    1961年、ポルトガル・フィゲイラ・ダ・フォズ出身。ブラガ・シアター・カンパニー、サン・ジョアン国立劇場(ポルト)等をベースに俳優、舞台演出家として活躍。同時に多くのテレビドラマや映画で主役を務める。主な映画出演作品は『Capitão Falcão』(2015)、『A Canção de Lisboa』(2016)、『País Irmão』(2017)。

スタッフ・プロフィール

監督・脚本

舩橋淳(ふなはし・あつし)

1974年、大阪出身。東京大学教養学部卒業後、ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツで映画製作を学ぶ。デビュー作の16ミリ作品『echoes』(01)がアノネー国際映画祭で審査員特別賞・観客賞を受賞。アメリカを拠点に活動していた05年にはテレビ番組『人生を楽しみたい ~アルツハイマー病への取り組み~』を制作し、米テリー賞シルバーアワードを受賞。オダギリジョー主演の日米合作映画『ビッグ・リバー』(06)で、商業長編監督デビュー。同作はベルリン国際映画祭、釡山国際映画祭でプレミア上映された。その後、フィクションとドキュメンタリーの融合させた『谷中暮色』(09)、臼田あさ美、三浦貴大主演の『桜並木の満開の下に』(13)を発表。2011年の東日本大震災による原発事故で町全体が避難を強いられた福島県双葉町の人々を追ったドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』(12)、『フタバから遠く離れて 第2部』(14)はキネマ旬報ベストテン文化映画第7位を獲得(第1部)。同シリーズは世界40カ国以上の国で上映され、仏Signes de Nuit 国際映画祭でエドワード・スノーデン賞を受賞、ベルリン国際映画祭へ5作連続の正式招待という快挙を達成した。他に、テレビドキュメンタリー「小津安二郎・没後50年隠された視線」(13 /NHK)、映画『道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB 48』(16)など。著書には、『フタバから遠く離れて』、『フタバから遠く離れて 第二部』(共に岩波書店)などがある。現在、第9作となる「夕陽のあと(仮)」を鹿児島で撮影中。

撮影監督

古屋幸一(ふるや・こういち)

1974年、福岡県出身。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、広告代理店電通九州に就職。約7年間の勤務の後、撮影助手として活動を始める。主に高間賢治氏に師事し、映画のみならず、ドラマ、CM、企業VP、音楽VPほか幅広く活動。舩橋監督の『桜並木の満開の下に』で撮影監督を務めた。2014年4月より1年間文化庁海外芸術家派遣制度で米ロサンゼルスを中心に研修した。主な代表作は白石晃士監督『超・悪人』(11)、森岡龍監督『ニュータウンの青春』(11)、榎本憲男監督『見えないほどの遠くの空を』(11)、SABU監督『ハピネス』(16)、『MR.LONG/ミスター・ロン』(17)。撮影機材運営、カラーグレーディングを行うFOO(フー)を主宰。

脚本

村越繁(むらこし・しげる)

東京都出身。大学在学中に映画製作に興味を持ち、ENBUゼミナールで篠崎誠監督の下、映画を学び、2002年、監督、脚本、編集を手がけた田中要次主演の短編『命の響き』を発表。その後、脚本家を志し、2011年から映画美学校脚本コースで2年間学ぶ。主な脚本作品は、大九明子監督、染谷将太主演の『ただいま、ジャクリーン』(13)、『桜並木の満開の下に』(13)。

プロデューサー

市山尚三(いちやま・しょうぞう)

1963年、山口県出身。東京大学経済学部卒業後の87年、松竹に入社し、竹中直人監督の『無能の人』(91)、ホウ・シャオシェン監督の『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(98)などを手がける。その後はオフィス北野をベースにプロデュース活動を続けるとともに、00年に映画祭「東京フィルメックス」を立ち上げ、プログラム・ディレクターを務める。主なプロデュース作品は『ビッグ・リバー』(06)、SABU監督『天の茶助』(15)、『MR.LONG/ミスター・ロン』(17)、ジャ・ジャンクー監督の『プラットホーム』(00)、『罪の手ざわり』(13)。

プロデューサー

ロドリゴ・アレイアス(Rodrigo Areias)

1978年、ポルトガル・ギマランイス出身。ポルトガルやアメリカで映画制作などを学んだ後、2001年から、映画やテレビドキュメンタリーなどでプロデューサー、監督、編集者として幅広く活躍。ブラジル、英国、スペイン、ドイツ、フィンランドとの合作などを手がける。主な映画は、アキ・カウリスマキ監督、ペドロ・コスタ監督、ビクトル・エリセ監督、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の4人の巨匠によるオムニバス『ポルトガル、ここに誕生す~ギマランイス歴史地区』(12)、ジム・ジャームッシュが製作総指揮を務めたラブストーリー『ポルト』(16 /ポルトガル・仏・米・ポーランド)など。

コメント

柄本佑 コメント

1部と2部で同じことが繰り返され、過去に植えた椿の種が巨木となって、恋人たち2人を助けてくれる。1人2役をやっているというよりは、時代も場所も違うので、2本の映画を同時に撮っているという感じでした。

中野裕太 コメント

プロットを読んだ時から、佑君の役ではなく、自分の役をやりたい、と思っていました。ポルトガル編の四郎役は狂言回し的で、佑君との友情の中で2人の恋愛の応援側に回る。現代編では、幸四郎が主役かと思いきや、また狂言回しに戻って、幽霊になる。表現に幅があり、ある程度委ねられている部分があって、やりがいのある役だなと思いました。

舩橋淳監督 コメント

18世紀ポルトガルと21世紀の日本。信じるべきものを失った時代に生きる人々の話を、両国で描いてみると面白いのではと思いました。国も言語も社会制度も違う2つの時代を体験することにより、信じることとは何かをこの映画から考えて欲しいと思います。